公取委がインボイス制度における独占禁止法および下請法違反のおそれ事案を例示
公開日:2023年12月1日
その他
公正取引委員会は、2023年10月4日にリリースした「インボイス制度の実施に関連した公正取引委員会の取組」の中で、インボイス制度に関して独占禁止法上の優越的地位の濫用につながるおそれのある事案に対して、2023年9月末時点で36件の注意を行ったことを発表しました。注意した事例については、同日の事務総長定例会見でも言及されました。主なものは以下のとおりです。
優越的地位の濫用につながるおそれのある事案
今回のリリースで、同委員会は、具体的に独占禁止法や下請法上の問題となりうる行為を以下のように示しています。
同委員会は、インボイスQ&Aや相談窓口の積極的な周知や事業者からの個別相談への丁寧な対応により、独占禁止法や下請法の違反行為の未然防止を図るとともに、同法に違反する行為には厳正に対処する方針を示しています。
企業がインボイス制度の実施を契機として取引条件を見直す場合、同委員会が示す独占禁止法・下請法上の考え方を踏まえ、取引先が不利益を被ったり、今後の取引に関する不安を抱えたりすることなく、対等な立場で対話を行い、双方が納得した取引条件を設定することが必要です。そのためには同委員会が注意した事例、独占禁止法や下請法上問題となる行為について従業員へ改めて周知徹底すること、問題となりそうな行為について会社へ相談できる体制を整備すること等が求められます。
今後も事例や公正取引委員会から発せられる情報などに注視して独占禁止法や下請法における留意事項を把握し、自社の状況を踏まえた対策を講じることが求められます。
【参考情報】
MS&ADインターリスク総研株式会社発行のESGリスクトピックス2023年11月(第8号)を基に作成したものです。