建設業法等の改正について

公開日:2024年8月23日

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2024年6月7日に、「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律(本記事では、建設業法等とします)」が国会で可決・成立し、公布の日から起算して1年6カ月を超えない範囲内において政令で定める日に施行される予定です(ただし、一部は前倒しで施行)。
今回の建設業法等の改正は、労働者の処遇改善(賃金の引上げ)、労務費へのしわ寄せ防止(資材高騰分の転嫁)、働き方改革・生産性向上への取り組みを通じ、建設業の担い手の確保・育成を図ることで、建設業の持続的な発展に繋げていくことを目的としています。

建設業法等改正の背景と方向性

(1)法改正の背景について

①建設業は他産業より賃金が低く就労時間も長い ⇒担い手の確保が困難な状況にあります。

②資材高騰分の適切な転嫁が進まず労務費を圧迫している

(2)法改正の方向性について

①建設業が「地域の守り手」としての役割を将来にわたって果たしていけるよう
時間外労働の上限規制等にも対応しつつ、労働者の処遇改善・働き方改革・生産性向上に総合的に取り組んでいく、としています。
 
②担い手の確保に向けた「新4K」の実現
主として若年労働者が敬遠する3K(きつい/汚い/危険)な職場イメージから、担い手の確保に向けた「新4K(給与がよい/休日が取れる/希望がもてる+カッコイイ)」を実現するとしています。

建設業法等改正の概要

今回の改正の主なポイントについて、以下列挙します。

(1)労働者の処遇改善

①建設業者の責務、国による取組状況の調査
・労働者の処遇確保が、建設業者の努力義務となります。
・国は当該処遇確保に係る取組状況を調査・公表し中央建設業審議会へ報告します。

②賃金原資となる労務費の確保と行き渡り
・中央建設業審議会は、「労務費の基準(標準労務費)」を作成・勧告します。
受注者に対しては、著しく低い労務費等※による見積り書の提出が禁止されます。
注文者に対しては、著しく低い労務費等※となる見積り変更依頼が禁止されます。
※施行に通常必要な労務費等を著しく下回るもの
・これらに違反して契約した発注者には、国土交通大臣等が 勧告・公表をおこないます。
・違反して契約した建設業者(受注者・注文者)は、現行規定により、指導・監督が行われます。

③不当に低い請負代金の禁止
・総価での原価割れ契約を受注者にも禁止します。

(2)資材高騰に伴う労務費のしわ寄せ防止

①契約締結前のルール
・資材高騰など請負代金や工期に影響を及ぼす事象(リスク)の情報(=おそれ情報)は、請負契約の締結までに受注者から注文者に通知することが義務化されます。
・資材価格変動時における請負代金等の「変更方法」を、契約書の法定記載事項として明確化します。

②契約締結後のルール
・資材高騰が顕在化した場合において、受注者が「変更方法」に従って契約変更協議を申し出たときは、注文者は誠実に協議に応ずることが努力義務として課されます。
・公共発注者は誠実に協議に応ずる義務があります。

(3)働き方改革と生産性向上

①工期ダンピング対策の強化
・長時間労働を抑制するため、受注者における著しく短い工期による契約締結は禁止となります。
 ⇒現行、注文者に禁止されている工期ダンピングが、新たに受注者に対しても禁止されます。
・違反した建設業者には、指導・監督が行われます。 

②工期変更の協議の円滑化
(契約前)
受注者に対し、資材の入手困難等の「おそれ情報」を注文者に通知することが義務化されます。
(契約後)
・通知をした受注者は、注文者に対し工期の変更を協議することができます。
注文者は、この協議に対し誠実に応ずることが努力義務化されます。
公共発注者は、誠実に協議に応ずる義務があります。

③現場技術者の専任義務の合理化
・ICTを活用し遠隔からの現場確認が可能などの要件を満たす場合、政令で定める請負金額までについては、現場技術者の兼任が可能になります。

④現場管理の効率化
・ICTを活用した現場管理の「指針」を国が作成し、特定建設業者※や公共工事受注者に対し、効率的な現場管理を努力義務化します。
※多くの下請業者を使う建設業者

・公共発注者への施工体制台帳の提出義務を合理化します。
(ICTの活用で施工体制を確認できれば提出を省略可とする、など)

「建設Gメン」による取引適正化に向けた監視体制の強化

(1)「建設Gメン」とは?

・建設技能者の賃上げや働き方改革の促進に向け、建設工事の請負契約における請負代金と工期の適正化を図ることを目的に、請負代金や工期に関する取引内容について、「建設Gメン」による実施調査等が行われています。
・「建設Gメン」によるこれまでの主な指摘例は、以下の通りです。

(2)法改正を踏まえた体制の強化や調査内容の拡充

①体制の強化
建設Gメンは、2023年度72名から⇒2024年度135名へ大幅に増員されました。
 
②調査内容の拡充
建設業法改正による取引適正化に向けた新たな措置について、「法施行を待たず、先行的に調査を行いつつ、適切な対応を呼びかける」とされています。

※労働基準監督署と連携して工期に関する合同調査を行うなど、効果的に調査を実施
※違反行為に対しては、建設業許可部局から指導監督を行うことにより、請負代金や工期の適正
を推進しています。

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