国交省が「グリーンインフラ(GI)に関するファイナンスガイドライン (中間とりまとめ)」を公表、GIプロジェクトにおける資金調達手法の選択に関する考え方や事例を整理

公開日:2026年9月11日

SDGs

国土交通省は2026年3月27日、「グリーンインフラ(GI)に関するファイナンスガイドライン(中間とりまとめ)」を公表しました。2026年1月に公表した「グリーンインフラ推進戦略2030」における “GIの活用が当たり前の社会”の実現に向けた柱の一つである「資金の調達円滑化」を目的として作成されました。官民連携の資金調達の広がりを踏まえ、その具体的な資金調達プロセスや体制構築手法を整理しています。

グリーンインフラ(GI)に関するファイナンスガイドライン

まず、GI事業における資金調達のあり方を以下のように示しています。
1.GI事業がおよぼす企業等の資産・利益の向上と地域価値向上の関係整理
2.GI事業の類型化
3.受益構造の可視化
4.受益構造ごとのファイナンススキームの検討・活用
5.中間支援組織の活用

GI事業の類型化については、GI事業の取組価値を事業の収入に転換できるかという観点で分類しています。価値の収入への転換とは、賃料の上昇や売上の増加、コスト削減に伴う収益アップ等、GIの取組により企業の資産や利益の向上につながることを指します。収入への転換可否とGI事業の主体、業種・業界や取組概要によって、表1のとおり5分類に整理し、資金調達の方向性を示しています。

次に、それぞれの類型に応じて、GI事業がおよぼす多面的な価値を具体化し、事業の成果と最終的な便益を踏まえ、事業の受益構造を可視化する手法について、ロジックモデルを用いて紹介しています。これは、受益者から事業資金を捻出・回収する資金調達スキームを検討することを目的としており、受益構造を可視化した上で、事業者と受益者が対話を行い、関係者の意識醸成を図ることで受益者を事業に積極的に巻き込んでいくことをポイントとして挙げています。

その上で、実際に活用が期待できる具体的なファイナンススキームと具体例について提示しています。GI事業は地域住民・民間企業も受益者となりえることから、当ガイドラインにおいては、表2のとおり、6パターンの官民連携スキームを中心に取り上げています。特に、今後活用の広がりが期待される手法として、ソーシャルインパクトボンド(SIB)やネイチャークレジットの活用の方向性を詳しく示しています。

今後、「同ガイドラインの周知実践」、「有効な資金調達事例の収集・周知」、「環境価値のクレジット化」、「係る評価手法の検討」等を進め、2030年を目途にGIに関する資金調達手法を確立することとしています。

GIは、単なるインフラ投資ではなく、多面的な機能の最大化を図り、地域社会全体の価値向上にもつながるものとして、幅広いステークホルダーの参画が必要となります。加えて、民間投資の推進が期待されるものの、公共性も担保しながら企業にとっての価値も同時に創出していくというバランスのとり方も必要です。またGI推進には主体間の綿密なコミュニケーションによって、関係者間の目的や関心を満たすことが肝要です。

 

自然資本の毀損による影響や自然に配慮した経営の必要性について解説しています。

 

MS&ADインターリスク総研株式会社発行のESGリスクトピックス2026年6月(2026年度第3号)を基に作成したものです。

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