記者会見から見る危機管理広報のポイント

公開日:2026年2月18日

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事件・事故・不祥事等の危機が発生した場合、企業が行う情報開示対応の中でも記者会見への注目度は高いです。記者会見を実施するか否か、また実施したとしてもタイミングを巡って厳しい批判にさらされることは珍しくありません。また、不適切な会見運営により、発生した事案そのものよりも、記者会見の失敗が当該企業により大きなダメージを与えるケースもあります。

近年、記者会見の内容が話題になった事例

記者会見から見る危機管理広報のポイント

これまで数多く行われてきた危機発生時の記者会見を俯瞰すると、登壇者の説明・謝罪の巧拙よりも、会見のタイミングや説明・謝罪の内容に関して、メディアやさまざまなステークホルダーが求めていたものと齟齬があるときに、不信感が高まり、企業価値を毀損し、ブランドイメージを失墜させるような事態に至っています。すなわち、発生した事案に関する企業の情報開示の姿勢に対する社会の期待を見極めることが非常に重要といえます。

危機発生時の情報開示は、大きなマイナスの状態からスタートし、少しでもそのマイナスを縮小し、できればプラスに転換するという極めて難易度の高い目的を持って行われます。この目的を達成するためには、ステークホルダーの期待を把握し、明確な戦略に基づいて開示するタイミング、内容、発信者等を選定する必要がありますが、この点がなおざりになっていたとしか考えられない事例は少なくありません。

近年、多くの企業で危機発生を想定した情報開示トレーニングが行われ、模擬記者会見を体験した経営者も少なくないでしょう。しかし、一部のトレーニングでは、登壇者の所作、例えばお辞儀の角度や時間といったことに注目するあまり、本質的な課題が炙り出されないことが懸念されます。

前述のとおり、危機発生時の情報開示においては、さまざまな事情を考慮しつつもステークホルダーの期待とのギャップを埋めていく努力が必要です。そして、その判断を極めて限られた時間内に行わなければなりません。だからこそ、模擬記者会見を含む情報開示トレーニングにおいては、登壇者の対応力だけでなく、用意されたトレーニングシナリオに対する事案評価およびそれを踏まえた開示戦略の検討を実践してみることが重要といえます。

企業においては、自社で企画されているトレーニングが、そのような観点を踏まえたものになっているか、改めて検証し、より効果的なトレーニングへ改善していくことが期待されます。

MS&ADインターリスク総研株式会社発行のESGリスクトピックス2025年11月(2025年度第8号)を基に作成したものです。

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