食品安全の視点で見る加工食品の海外輸出のリスク対策 第2回 国内外の事故事例とリスク情報の調査・活用
公開日:2026年1月16日
その他

本コーナーでは、日本の加工食品を海外に輸出する事業者が直面する食品安全上のリスクを理解していただき、その対策やポイント等の解説を連載しています。
第1回では、国内外の食品マーケットの動向、日本の加工食品の輸出状況とその特性や強み、加工食品の輸出に伴う主なリスクについて解説しました。
第2回では、国内外の食品事故事例を踏まえ、事故情報の効果的な収集方法や活用方法を解説します。加工食品を海外に輸出する際は、仕向地の事故事例は勿論のこと、国内市場で発生した食品事故の事例を学ぶことで、自社食品のリスクを予測し、未然に防止する対策を講じることが期待されます。
海外の事故事例の活用
(1)海外の事故事例の入手方法
仕向地の当局が運営している公的な情報サイトから事故事例を入手することができます。主な仕向地と情報サイトは以下のとおりです。

国内外の食品マーケットの動向、日本の加工食品の輸出状況とその特性や強み、加工食品の輸出に伴う主なリスクについて解説しています。
農林水産省では、上記の仕向地の情報サイトを「輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果」としてホームページ(注1)で公開しています。
また、GFP(注2)に登録することで、定期的に配信されるメールマガジンから事故情報の概要を入手することも可能です。
(2)海外での事故事例の活用方法
収集した海外での事故事例については、違反内容と輸出のどの段階(企画段階→準備段階→製造段階→出荷段階)に原因があったのか、推定でもよいので、整理するとよいでしょう。その一例を以下に示します。

上記の事故事例を含め、加工食品を輸出する際の各段階で、留意すべきポイントの一例を以下に示します。

国内の事故事例の活用
上記で整理した事故原因(推定)を踏まえると、仕向地の食品衛生・食品表示の規格基準を除けば、海外の事故事例と国内市場の事例はおおむね共通しているといえます。すなわち、国内市場で発生した事故事例も加工食品の海外輸出にあたってのリスク対策に有用な参考情報となるのです。
国内のリコール情報を入手できる主な情報サイトは以下のとおりです。以下の情報サイトから事故事例を入手することができます。

なお、消費者庁のメール配信サービス(注3)に必要事項を登録することで、担当省庁等が公表したリコール情報をメールで受信することができます。
食品安全マネジメントシステムのV5.1からV6への変更点と対応のポイントについて解説しています。
おわりに
国内外の事故情報を的確に収集、分析することは、リスク予防・対策立案の第一歩と言えます。また、事故情報を契機に、パッケージ表示を含む自社の仕組み・ルールの見直しに活用することで、輸出事業の信頼性向上と消費者の安全確保が期待できます。次回は、これらの輸出リスクを踏まえた「仕向地と日本における輸入規制の違いとその調査方法」について解説する予定です。
(注1)農林水産省「輸出された日本産農林水産物・食品の各国・地域における水際検査結果」
(注2)GFPとは、Global Farmers / Fishermen / Foresters / Food Manufacturers Project の略称であり、農林水産省が推進する日本の農林水産物・食品の輸出プロジェクト
(注3)消費者庁メール配信サービス「リコール情報メールサービス登録」
MS&ADインターリスク総研株式会社発行のPLレポート(食品安全)2025年10月号を基に作成したものです。
MS&ADインターリスク総研株式会社
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