TISFDの初版ドラフト公表、開示骨格はISSB等を踏襲も、詳細は次回に持ち越し
公開日:2026年10月8日
SDGs

不平等・社会関連財務情報開示タスクフォース(TISFD)は2026年5月26日、作成を進めている開示フレームワークの初版ドラフト(ベータ版0.1)を公表しました。企業に求める開示内容について先行するISSB基準と同様の骨格が明らかになりました。一方で、マテリアリティやシナリオ分析、指標の具体的な内容等の主要な項目については、詳細の起案が次回以降のドラフトに持ち越されました。意見聴取を経て、複数回のドラフト作成の後、2027年末に最終版をリリース予定です。
TISFDが開示フレームワークの初版ドラフト(ベータ版0.1)を公表
今回ドラフトでは、2025年10月公表の「Conceptual Fundations(概念の基礎)」で示された内容に加えて、企業に開示を求める項目が追加されました。
まず、開示全体に共通する要件として、▽マテリアリティ▽システムレベルリスクの関連情報▽ステークホルダーエンゲージメント▽範囲▽時間軸――を設定しました。企業間比較等ができるようにするのが目的です。特徴としては、例えば、マテリアリティでは、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)や欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)等と共通するダブルマテリアリティにも対応します。人権デューデリジェンスは、TISFDが求める人に関連する影響とリスク・機会を特定・評価するプロセスと一致しており、その結果を反映すべきだとしました。
また、より広範な社会、環境および経済システム内の複数の主体による影響の相互作用から生じる「システムレベルリスク」について、それとの関係性等の開示を求めています。
加えて、具体的な開示項目では、先行する気候(TCFD)や自然(TNFD)、それを踏襲したISSBと同様の4項目(「ガバナンス」「戦略」「影響とリスクの管理」「指標と目標」)による構成が示されました。ただし、「指標と目標」の具合的な内容は今回示されませんでした。詳細は次回以降のドラフトで検討されます。なお、TISFDでは、人との関係性の把握において、TNFDでも採用された「インパクト」「依存」「リスク」「機会」の概念を用いています。

出典:TISFDフレームワークベータ版0.1に基づきMS&ADインターリスク総研作成
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表した「マテリアリティの観点から優れたサステナビリティ開示」について解説しています。
タスクフォースは今後、開示フレームワークの作成にあたって、下記項目を優先検討事項に挙げました。次回以降のドラフトに内容が順次追加される見込みです。

出典:TISFDフレームワークベータ版0.1に基づきMS&ADインターリスク総研作成
参考情報:2026年5月26日付 TISFD HP
MS&ADインターリスク総研株式会社発行のESGリスクトピックス2026年7月(2026年度第4号)を基に作成したものです。
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