1,100万人の働き手が集まるタイミー 「スキマバイト」から見える 中小企業の採用市場

公開日:2025年10月17日

人手不足

事業展開、マーケット開拓、資金調達など中小企業の課題はさまざまです。そのなかでも近年ますます表面化している悩みが「人材」。正社員不足と感じている企業は【53.4%】、非正社員不足を感じている企業は【30.6%】という、コロナ禍以降で最悪の状況にあります(帝国データバンク発表・2025年1月)。

そこで、MSコンパスでは人材業界プレイヤー・事業会社の人事担当者・そして中小企業の経営者などの取り組みを多角的に取材しました。

この記事では「スキマバイト」という新しい雇用の選択肢を生み出した「タイミー」にインタビュー。2018年のサービス開始以来利用者を増やし、現在タイミーを通した総労働時間は3ヶ月間で延べ2,432万時間(2024年11月~25年1月 タイミー・スポットワーク研究所発表)にも達します。
企業・働き手双方の課題を知る同社に、特に経営者視点でのニーズと代表的な不安要素、活用法などを伺いました。

「人材難」がもはや日常となったと言える日本で、ビジネスを営む企業の方々の羅針盤となる解決策の数々を伺いました。

プロフィール

株式会社タイミー 東日本エリア パートナーセールス/マネージャー
溝端 唯

即日・超短期・未経験「スキマバイト」の活用 18万社に

ーー 御社・タイミーを代表例とする、数時間から1日単位といった短時間・単発で働く就業形態「スポットワーク」の仲介サービスは、企業・働き手の双方で利用率が上がり続けています。

タイミー 溝端様 タイミーの登録ワーカー数は2025年4月時点で1,100万人を確保しています。新規登録者も毎月のように増加し、2024年の平均値では月間30万人というペースでワーカーが増えている状況です。

 

ーー 2024年はスポットワークを採用に活用する例が目立ってきた1年だったのではないかと思います。

タイミー 溝端様 そうですね。私は当社でセールスセクションに従事し約4年になりますが、毎年タイミーの知名度が上がっているのを実感します。2021年ごろには企業様に営業をかけても「何者だ?」という反応で電話を切られてしまったりしていましたが、昨年は「自分の娘や息子もスキマバイトをやっているよ」という声すら聞かれるようになりました。現在の登録企業様は18万社を超えています。

 

タイミー 溝端様 企業の採用状況にも、ここ数年で変化を感じます。人材不足そのものは十数年前からある問題ですが、コロナ禍に入る前は「人手は足りていないが現場は回っている」状態でした。しかしいよいよ「事業が成り立たなくなってきた」企業が現れています。そこでタイミーのご利用による人材確保が急速に進んできたと考えています。

「誰が来るのかわからない」? 企業の導入ハードルへの対処

ーー 「猫の手も借りたい」という思いでスポットワークに頼る、企業における人材確保の厳しい状況が伺えます。ただ、スポットワークは誕生して10年にも満たない新しい採用手法であるだけに、まだ企業側にも不安があるのではないでしょうか。

タイミー 溝端様 はい。さまざまなご不安に向き合っているところです。スポットワーカーに対する安全性や作業品質、セキュリティの懸念。もっとも大きなハードルは「誰が来るのかわからない」という一言に集約されるでしょう。

タイミー 溝端様 これまで企業様側は、求人を出し、応募者の履歴書を読み、面接し、職場を見学させ、教育することでやっと新人を職場に迎えてきたわけです。スポットワークはそのプロセスをほとんど経ないまま「いきなり明日、働きに来る」ことも可能ですから、そもそもイメージがつかなくて当然。ちゃんと仕事をしてくれるのか? トラブルを起こすのではないか? などと考えてしまいます。

利用企業様の声を集めると、一度タイミーを利用すれば「案外大丈夫だ」と安心していただいています。ただし、その「一度目」に踏み切っていただくハードルは今でも非常に高いですね。

ーー どのように対策していますか。

会員登録して記事を全て読む

無料会員登録はこちら