(1)2010年代までとは異なる労働環境
2024年問題、外国人労働者の雇用など人手不足についてのニュースを目にしない日はなくなりました。経営者や人事の責任者・担当者も、以前のように人材採用(特に正社員採用)が進まないとの実感を持っている方も増えているのではないでしょうか。
このような国内の人手不足には、構造的な背景があります。1991年には、生産年齢人口(15-64歳)と労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)には、約2,150万人の差がありました。この差を労働力の余力として、2010年代には、女性活躍の推進・高齢労働者の雇用拡大を進めて、労働力を補っていました。
しかし、直近10年で状況が激変しました。生産年齢人口が約550万人減る中、就業者数は420万人増えました。
その結果、生産年齢人口と労働力人口の差も、約460万人にまで縮小しています。従来の人材採用は一層困難な状況となっています。2020年代以降は、人手不足に対して、新しいアプローチが必要な時代となっています。
出典:令和2年版 厚生労働白書、労働力調査2020~2023年、人口推計を元に、MS&ADインターリスク総研にて作成
(2)2040年に向けて加速する労働供給不足
人手不足は、今後20年で、加速するとの推計があります。不足規模は1,100万人。中堅・中小企業への影響は、特に大きいと言われています。人材不足が、最重要の経営リスクとなる時代が始まりつつあります。
出典:リクルートワークス研究所 Works Report 2023 「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」を基に、MS&ADインターリスク総研にて加工・編集
国内の労働者構成は、直近の10年間で激変しました。労働者の属性別に捉えると、構造的な変化が伺えます。日本の総人口が減少する中で、女性労働者・高齢就業者・外国人労働者が増加し、さらにはスポットワーク・フリーランス・副業人材等の労働形態が増加しています。一方で、高卒労働者は、大幅に減少しています。
このような労働市場の変化を正確に理解していないと、人事施策の誤り、ひいては人材確保・人材定着の失敗につながることが容易に想像できる状況になりました。人材に関わるリスクが、経営リスクの最たるものとなる可能性が高まっています。
出典:総務省「労働力調査」「就業構造基本調査」、厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況』、文部科学省「新規高等 学校卒業者の就業状況」、日本経済新聞 2024/4/17
人手不足の解決策は、従来と同様の人材の採用のみではありません。今まで考えていなかった人材の採用や、少数精鋭で業務ができるDX化の支援、離職を未然に防ぐためのミスマッチ防止等、対策はさまざまです。
テーマ | 対策例 |
---|---|
人を獲得する |
テーマ | 対策例 |
---|---|
人を減らさない |
*くるみん・えるぼし=厚労省が推進する「子育てサポート」「女性活躍」の優良企業に対する認定制度
テーマ | 対策例 |
---|---|
業務を見直す |
*ビジネス・プロセス・アウトソーシング= 業務プロセスの一部を外部委託する
【 ご参考 】
MS & AD インターリスク総研株式会社では、上記テーマと対策例に応じた支援ができるように、専門企業との提携も 行っております。 ご興味・ご関心がある方は、下記の問い合わせより、ご連絡ください。
人手不足対策に役立つ関連資料・サービスメニューをご用意しています。会員登録し、ご利用ください。
人材不足対策サービス
外部専門事業者を通じて、上記3テーマ(人を獲得する、人を減らさない、業務を見直す)に関する対策サービスをご提供します。
人的資本経営 社内勉強会・相談会(Web)
人的資本経営と情報開示について、最新情報や、社内で対応すべきポイントを解説し、ご相談にお答えします。(対象:法人会員)
すでに三井住友海上との
お取引はありますか