下請法、約20年ぶりの主要な改正

公開日:2025年9月12日

法改正

下請代金支払遅延等防止法(以下、「下請法」)の改正案が2025年5月16日、参院本会議で可決、成立しました。主要な改正は、2003年以来、約20年ぶりとなります。

本改正は、近年の急激な労務費や原材料費、エネルギーコストの上昇を受けて、発注者と受注者の対等な関係に基づき、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる「構造的な価格転嫁」の実現を図ることを目的として行われました。

下請法改正項目の内容とは

主な改正項目は以下のとおりです。

下請法に関する課題と対応案を取りまとめた報告書について解説しています。

 

今回の法改正は、2024年12月公表の企業取引研究会報告書(注)でも指摘された上昇したコストの価格転嫁に関する問題や運送委託における荷主・物流事業者間の問題(荷役・荷待ち)、下請法逃れの問題等、価格転嫁を阻害し受注者に負担を強いる商習慣を改善し、価格転嫁および取引適正化を図るものです。

 

「価格交渉促進月間」の成果について解説しています。

 

改正下請法は、2026年1月1日より施行されます。現行法では適用対象となっていない取引についても、改正により下請法の適用対象となる場合があります。企業においては、施行されるまでに既存取引を棚卸して契約内容や契約取引先の従業員数・資本金額を把握し、既存取引への適用の該否を確認することが求められます。

 

内閣官房と公正取引委員会の公表した指針について解説しています。

 

(注)企業取引研究会「企業取引研究会 報告書」

参考情報:2025年5月16日付 公正取引委員会HP

MS&ADインターリスク総研株式会社発行のESGリスクトピックス2025年7月(2025年度第4号)を基に作成したものです。

MS&ADインターリスク総研株式会社

企業や組織のリスクマネジメントをサポートするコンサルティング会社です。
サイバーリスク、防災・減災、BCM/BCP、コンプライアンス、危機管理、企業を取り巻く様々なリスクに対して、お客さま企業の実態を踏まえた最適なソリューションをご提供します。

また、サステナビリティ、人的資本経営、次世代モビリティといった最新の経営課題にも豊富な知見・ノウハウを有しています。中堅・中小企業にも利用しやすいソリューションも幅広くラインナップしています。

関連記事

食品関連事業に係る法改正等の動向(2024年3月末~2025年6月公布・発出)

2025年10月22日

法改正

2025年 育児・介護休業法等の改正 ~法改正を機に実効性ある両立支援と職場文化の変革へ~

2025年10月1日

人事労務・働き方改革

法改正

厚生労働省、労働安全衛生規則を改正し熱中症対策を義務化

2025年9月17日

人事労務・働き方改革

自然災害・事業継続

法改正

経済産業省が「製品安全4法改正に関するFAQ」を公開

2025年8月29日

法改正

6月から義務化(罰則付き)となった「職場の熱中症対策」のポイント

2025年6月13日

人事労務・働き方改革

自然災害・事業継続

法改正

おすすめ記事

事業承継におけるM&Aが増加!具体的な手順と活用できる補助金制度を紹介

2025年10月27日

事業承継・M&A

100億宣言とは?中小企業にとってのメリットと取組の方法を解説

2025年10月20日

助成金・補助金

企業が男性育休を進めるためのポイントを解説!共育プロジェクトの概要も要チェック

2025年10月6日

人事労務・働き方改革

週休2日制とは?企業が導入するメリットと課題、成功事例をまとめて紹介

2025年9月22日

人事労務・働き方改革

日本が年々暑くなる理由とは?原因と対策、企業に求められる対応について解説

2025年9月8日

自然災害・事業継続

週間ランキング

6月から義務化(罰則付き)となった「職場の熱中症対策」のポイント

2025年6月13日

人事労務・働き方改革

自然災害・事業継続

法改正

改正育児・介護休業法 ~令和7年10月1日施行編~

2025年3月28日

人事労務・働き方改革

「個人から法人への非上場株式の譲渡における注意点」

2024年11月22日

その他

職場における感染症対策 ~従業員の感染症に企業はどう対応すべきか~

2025年8月22日

健康経営・メンタルヘルス

高齢者の自動車運転に関する実態と意識について~アンケート調査結果より(2024年版)

2025年2月28日

事故防止