介護職員の処遇改善加算制度の改正について
公開日:2024年7月12日
その他
法改正
介護事業者にとって、介護人材の確保・定着は大きな課題です。今般、介護職員の人材確保を更に推し進め、介護現場で働く方々のベースアップへつながるよう、介護報酬改定により、2024年6月以降、処遇改善に係る加算の一本化と加算率の引上げが進められています。
介護事業者は、2025年度以降の新加算の完全施行までに、計画的な準備が求められます。
処遇改善加算制度の仕組み
処遇改善加算制度は、もともと「介護職員処遇改善交付金」という国費を原資とした交付金でしたが、数度にわたる改正を重ね、現在は介護報酬の加算の一つとして位置づけられています。
その仕組みは、介護職員処遇改善加算をベースとし、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算が上乗せされる3階建てになっています。
改正の内容
介護職員の処遇改善のための措置ができるだけ多くの事業所に活用されるよう推進する観点から、3種類の処遇改善加算(旧加算)の各区分の要件及び加算率を組み合わせた4段階の「介護職員等処遇改善加算(新加算)」に一本化されました。
<旧加算:2024年5月以前>
・処遇改善加算Ⅰ~Ⅲ
・特定処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ
・ベースアップ等支援加算
↓
<新加算:2024年6月以降>
新加算Ⅰ~Ⅳ(介護職員等処遇改善加算)
・2024年度中は現行の加算の要件等を継続
・ベースアップ等支援加算
①~③:「2024年度中に実施」の誓約でも可 ④:2024年度中は月額8万円の改善でも可
⑥:2025年度から適用 ⑦:現行ベア加算未算定の場合のみ適用
⑧:2024年度中は旧加算の要件で可
事業者に求められる対応
今回の改定により、賃金改善や申請に係る事務負担が軽減され、わかりやすい制度となりました。
また、加算による賃金改善の職種間配分ルールについても柔軟な運営が認められるようになりました。一方、「職場環境等要件」における生産性向上のための業務改善取組の必須項目が増えたほか、加算要件を充足するためのキャリアパスの仕組みや賃金体系の整備が必要となります。
<厚生労働省の関連資料>
発行:MS&AD経営サポートセンター