消費者庁「食品表示法に基づく自主回収の届出状況」を公表

公開日:2025年4月2日

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消費者庁は2024年10月、「食品表示法に基づく自主回収の届出状況」(注1)を公表しました。対象は食品等自主回収(リコール)報告制度の運用が開始された2021年6月1日~2024年9月末時点の届出情報です。

食品表示法に基づく自主回収の届出状況

図表1のとおり、公開件数の合計は5,584件、内訳としては、喫食により直ちに消費者の生命又は身体に対する危害の発生の可能性が高いものであるCLASSIが3,334件(60%)、喫食により消費者の生命又は身体に対する危害の発生の可能性があるものであってCLASSⅠに分類されないものであるCLASSⅡは2,250件(40%)でした。CLASSⅠのうち91件は、健康被害が発生しています。

回収理由別の発生原因は図表2のとおりで、回収理由として最も多いのは、アレルゲンに関するもので全体の58.6%。その発生要因で最も多いのは「ラベルの貼り間違い」、次に多い要因は「ラベルの誤入力・入力漏れや印字機の不具合」です。回収理由として次に多いのは、期限表示に関するもので全体の31.3%。その発生要因で最も多いのは「ラベルの誤入力・入力漏れや印字機の不具合」です。

厚生労働省・消費者庁へ報告された自主回収の情報は、食品衛生申請等システム(注2)、リコール情報サイト(注3)に公表され、商品名、回収理由、想定される健康被害等について確認できます。このうちリコール情報サイトにて公表された2024年11、12月の回収事例から、具体例を図表3に示します。

ラベルの貼り間違いや誤入力等の防止策としては、ラベル貼付前に商品の中身と使用予定のラベルの確認を二者で行う、ラベルの枚数管理記録を確実に残す、印字スタート時に最初の1枚が正しい内容であるか確認できた後に残りの印字をする等があります。なお、チェックシートを使用し、記録を残している場合でも、チェックをすること自体が目的となり、形骸化している場合があるため、注意が必要です。

【参考】自主回収を行った食品等のクラス分類

食品等の製造者や販売者から届出された自主回収情報は、自治体にて図表4のようなクラス分類がなされ、厚生労働省・消費者庁へ報告されます。

MS&ADインターリスク総研株式会社発行のPLレポート(食品安全)2025年1月号を基に作成したものです。

 

食品安全マネジメントシステムのV5.1からV6への変更点と対応のポイントについて解説しています。

 

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