食品安全マネジメントシステムFSSC22000 V6への対応における留意点 第1回 審査対象組織に対する要求事項の主な変更点

公開日:2024年10月2日

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はじめに

食品安全マネジメントシステムの規格の一つにFSSC22000がありますが、2023年4月1日に最新版としてVersion 6(V6) が発行されており、Version 5.1(V5.1)の認証を取得している事業者は、2025年3月31日までにV6への移行審査を受ける必要があります。

今回から「食品安全マネジメントシステムFSSC22000 V6への対応における留意点」と題し、FSSC22000 V6 1)について、V5.1からV6への変更点と対応のポイントの解説を4回にわたって連載します。

第1回目は、FSSC22000の審査対象組織に対する要求事項について、V5.1からV6への主な変更点について解説します。

FSSC22000は、FSSC財団(Foundation FSSC)によって開発された食品安全のためのマネジメントシステム規格で、食品安全に関する国際的な民間団体であるGFSI(Global Food Safety Initiative)により、食品安全の認証スキームの一つとして承認されています。なお、FSSCはFood Safety System Certification(食品安全システム認証)の略です。

FSSC22000は、ISO22000の要求事項、その部門の技術仕様書に基づき規定された前提条件プログラム(ISO/TS22002-1 等の一般衛生管理に関する管理プログラム)と、それらに加えて必要な追加要求事項から構成されています。

FSSC財団がV6の開発を開始した主な要因は、図表1のとおりです。認証機関の要求事項として参照していたISO規格の改訂へ対応するとともに、各国で取組が進んでいるSDGsの達成に向けた組織の対応を支援するため、V6がリリースされました。

 

FSSC22000 V6の開発を開始した主な要因
① 更新されたISO22003-1:2022(食品安全マネジメントシステムの審査および認証を行う機関に対する要求事項)の組入れ

② 国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する組織を支援するための要求事項の強化

③ 継続的改善の一環としての編集上の変更および修正

出所:FSSC財団「FSSC22000スキーム 第6.0版」

V5.1からV6への変更で、FSSC22000 V6スキーム(図表2参照)のパート3以降の認証機関および認定機関に関する要求事項も変更されていますが、本レポートでは一般の食品関連事業者に影響を与えるものとして、パート1、パート2の審査対象機関に関する変更を取り上げます。

FSSC22000の審査対象組織に対する要求事項について、V5.1からV6への主な変更点は以下のとおりです。

パート1 スキームの概要

図表にフードチェーンカテゴリーの変更を一覧で示しました。変更されたカテゴリーの内容は、以下のとおりです。

・ 動植物性製品の一次生産(カテゴリーA)が削除され、カテゴリーAに該当していたものはカテゴリーBⅢ「収穫された植物に関する活動」およびカテゴリーC0に含まれることとなった。

・ ペットフードのカテゴリーDⅡaとDⅡbは削除され、ペットフードは食品カテゴリーCⅠからCⅣに含まれることとなった。

・ 輸送と保管のカテゴリーはGカテゴリーに統合された。

・ FⅡ仲介業務カテゴリー(仲買業/取引/電子商取引)が新たに追加された。

パート2 審査対象組織の要求事項

図表に審査対象の組織の要求事項の変更状況をまとめました。新規追加、詳細化等があった要求事項の概要は以下の通りです。これらの変更は、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」につながるものといえます。

◆新規追加:V5.1には無かった5つの要求事項が新たに追加されました。

・ 2.5.8 食品安全及び品質文化:食品安全や品質文化の構築に関するもの

・ 2.5.9 品質管理:ISO9001の要素に関するもの

・ 2.5.15 設備管理:既存設備の変更や新規設備の導入の際変更することによるリスクやその性能について把握しているという証拠を提出できるようにすることを求めるもの

・ 2.5.16食品ロス及び廃棄物:食品ロスや廃棄を低減するとともに、製品への汚染を防止するために求められるもの

・ 2.5.17コミュニケーションの要求事項:緊急事態が発生した場合には、認証機関からの指示を受けて対応することが求められるもの


◆詳細化:以下3つの要求事項について対象や範囲の明確化等が行われました。

・ 2.5.5 ロゴの使用:FSSCロゴを使用できる範囲の詳細化

・ 2.5.6 アレルゲン管理:アレルゲンリスト等、アレルゲン管理計画書への記載が必要な項目が6つ追加

・ 2.5.7環境モニタリング:対象を「関連する病原菌、腐敗、指標細菌」と明記。環境モニタリングプログラムの有効性や適切性を定期的に見直すことについても明記


◆項目追加:既存の要求事項に新たな項目が追加されました。項目追加の例を2つ挙げます。

・ 2.5.1 サービスと購入資材の管理:包装材の原材料に関するリサイクルのルールや基準を定めることを求める要件の追加

・ 2.5.2 製品のラベリング及び印刷物:食品偽装とならないような検証システムを構築することを求める要件の追加

おわりに

本稿では、審査対象組織に対する要求事項について、V5.1からV6への主な変更点をご紹介しました。次回以降は、追加・変更があった要求事項の具体内容について解説する予定です。

 

MS&ADインターリスク総研株式会社発行のPLレポート(食品安全)2024年7月号を基に作成したものです。

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