「指導原則」に基づく取組実施は会員企業の7割超、3年で倍増、経団連アンケート

2024年4月12日

人権

経団連は2024年1月16日、企業行動憲章アンケートの結果を発表しました。それによりますと、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき取組を進めているとの回答が76%でした。2020年前回調査の36%から倍増しています。従業員5,000人以上の企業では、進めているとの回答が95%に達しました。一方で、500人未満の企業では3割程度にとどまり、100人未満では1割でした。

「人権デュー・ディリジェンス(DD)の適切な実施」が前回調査から20ポイント増加

企業行動憲章のうち、今後3年間で最も重視する項目でも、「人権デュー・ディリジェンス(DD)の適切な実施」が前回調査から20ポイント増加し、上げ幅で最大の「GXの推進」(21ポイント)に次いでいます。企業経営においてサステナビリティ課題が重視される傾向が裏付けられました。

併せて、人権取り組みを進める企業(203社)による人権侵害リスクのアセスメント結果を集計しました。それによりますと、重要度が高いと認識するリスクは、「職場におけるハラスメント」、「職業上の安全健康(安全衛生)」、「過重労働」の順で、いずれも回答企業の過半数が挙げています(図1参照)。これらの結果を踏まえて、経団連は、自社の従業員といった特定の対象だけでなく、外国人労働者や女性、LGBTQ、 障がい者、非正規労働者といった「幅広いライツホルダーを認識して人権の負の影響に対処する、という行動が広がりつつある」と評価しました。

また、「指導原則」にもとづいた取組を進める上での課題として、最も多かったのは、「サプライチェーンでの課題の特定」で、76%が回答しています。

一方、アンケートの一部回答をまとめた「国内外のサプライチェーン上における人権デューデリジェンスの取組事例集」も公表され、サプライチェーン上で特定した人権への「負の影響」では、「職業上の安全健康(安全衛生)」(61%)が最も多く、「強制労働」「差別」と続いています(図2参照)。

負の影響を特定した後の社内対応としては、「取締役会やサステナビリティ委員会等への報告」が最も多く、「研修・ eラーニングの実施」「外部専門家への相談や追加的なDDの依頼」の順でした(図3参照)。

さらに、取組内容の社外開示状況では、「自社ホームページが最多で67%、統合報告書47%、サステナビリティ報告書41%の順でした。一方で、「公開していない」が18%、「有価証券報告書」での開示は10%に留まりました。

MS&ADインターリスク総研株式会社発行のESGリスクトピックス2024年3月(第12号)を基に作成したものです。

【参考情報】

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