改善基準告示の改正と勤務間インターバルの助成金

公開日:2023年7月12日

人事労務・働き方改革

2024年4月より運送業において36協定の上限規制の適用除外の猶予期間が完了することに伴い、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(以下「改善基準告示」)」も改正されます。
今回はこの改善基準告示の主な改正内容とそれに併せて活用できる助成金についてお伝えします。なお、本号は社会保険労務士法人みらいコンサルティングに寄稿いただきました。

改善基準告示とは

改善基準告示とはトラックなどの自動車運転者について、労働時間等の労働条件の向上を図るため、
その業務の特性を踏まえ、全ての産業に適用される労働基準法では規制が難しい拘束時間、休息期間、運転時間等の基準を定めるものです。改善基準告示は、運送を業とするか否かを問わず、自動車運転者を労働者として使用する全事業に適用されます。

(1)拘束時間とは、始業時刻から終業時刻までの時間で、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む)の合計時間をいいます。
(2)休息期間とは、勤務と次の勤務の間の時間で、睡眠時間を含む労働者の生活時間として、労働者にとって全く自由な時
   間をいいます。
(3)運転時間は、2日平均で1日当たり9時間、2週間平均で1週間当たり44時間を超えてはいけません。

改正後の基準(トラック運転者)

改正後のポイントは以下の通りです。その他の詳細及びバス運転者、タクシー・ハイヤー運転者の基準は、厚生労働省の関連HPをご確認ください。

改善基準告示の適切な運用のためのシステムと助成金

改善基準告示で定められる基準は細かく、適切な運用をするためにはデジタル式運行記録計(デジタコ)などの導入の検討も必要です。このようなシステム導入の際には厚生労働省が用意している助成金を活用することが効果的です。今回の改善基準告示の改正に含まれる休息期間の基準については、働き方改革推進助成金(勤務間インターバル導入コース)※2の成果目標と重なる部分がありますので、ご活用をお薦めします。

※2:交付申請期限が2023年11月30日となっており、予算がなくなり次第終了。

(寄稿:社会保険労務士法人みらいコンサルティング、発行:三井住友海上経営サポートセンター)

関連記事

人事評価とは?導入するメリットや手順、企業の事例を紹介

2025年3月17日

人事労務・働き方改革

カスタマー・ハラスメント対策における企業の留意点

2025年3月7日

人事労務・働き方改革

企業における就活生へのハラスメント防止措置義務化へ 法改正の動き進む

2025年2月14日

人事労務・働き方改革

ハラスメント

労務相談とは?窓口としての社労士、弁護士の違いは?労務相談について解説

2025年1月29日

人事労務・働き方改革

労災とは?労災と判断されるポイントと発生時の対応を解説

2025年1月20日

人事労務・働き方改革

おすすめ記事

2025年に新設・継続されている補助金のポイントをわかりやすく解説

2025年3月31日

リスクアセスメントとは?意味や手順、実施例も紹介

2025年3月24日

労働災害防止

人事評価とは?導入するメリットや手順、企業の事例を紹介

2025年3月17日

人事労務・働き方改革

CSIRTとは?主な役割と導入する際のポイントを解説

2025年3月10日

サイバーリスク

ダークウェブとは?基本的な捉え方とリスク、必要な対策を解説

2025年2月17日

サイバーリスク

週間ランキング

改正育児・介護休業法 ~令和7年10月1日施行編~

2025年3月28日

法改正

補助金申請から入金まで!全体スケジュールを徹底解説

2023年11月15日

助成金・補助金

弁護士が解説!企業が問われる法律上の賠償責任とは ~店舗・商業施設における訴訟事例~

2024年5月15日

その他

弁護士が解説!企業が問われる法律上の損害賠償責任とは ~自然災害(土地工作物責任)における訴訟事例~

2024年4月24日

自然災害・事業継続

企業における就活生へのハラスメント防止措置義務化へ 法改正の動き進む

2025年2月14日

人事労務・働き方改革

ハラスメント