酷暑を乗り越え、従業員一人ひとりが健やかに働くために――株式会社MAEの健康と安全を守る取組
公開日:2026年9月3日
労働災害防止

今年から、最高気温40度以上の日を「酷暑日」と呼称することが気象庁により正式に定められました。
日々続くこうした“酷暑”から従業員の健康や安全を守ることは、健全な事業活動を続けていく上で企業として欠かすことのできない視点です。
実際に、2025年6月の改正労働安全衛生規則の施行からWBGT28度以上または気温31度以上の環境での一定時間以上の作業において熱中症対策を講じることが、企業に義務付けられています。
そこで、MSコンパスでは現場を預かるマネジメント担当者や中小企業が行う熱中症対策に向けた取組を取材しました。
本記事では、「人と社会に新陳代謝を」をミッションに掲げ、従業員が働く楽しさを感じながら成長できるWell-Beingな企業づくりを推進している株式会社MAEの医薬品・化粧品製造事業本部物流グループでグループマネージャーを務める荒川正太様にお話を伺いました。
半世紀以上に渡り、薬の街・富山で薬の研究開発・製造に取り組んできた同社は、現在、薬による治療にとどまらないヘルスケアの可能性を追求し、「ヘルジアンウッド」という美と健康をテーマにした村づくりほか、化粧品やアロマ、飲食、宿泊等さまざまな領域へ取組を広げています。
酷暑への対策が欠かせなくなった真夏の日本で、ビジネスを営む企業の方々の羅針盤となる解決策を紹介します。
プロフィール

株式会社MAE 医薬品・化粧品製造事業本部物流グループ グループマネージャー 荒川正太様
多様な健康へ向かうMAEの取組
――御社は、製薬会社の枠組みを超えてさまざまな事業と方法で人の心と身体の健康向上に取り組まれていらっしゃいますが、従業員の健康についてもさまざまな取組をされていると伺っています。
MAE 荒川様 前提として、「人と社会に新陳代謝を」というミッションを実現するためには、社員一人ひとりが心身ともに健康で、安心して働ける環境が欠かせないと考えています。
例えば、“からだ・こころ・肌”の3つの健康を柱に開催されている「be活」という社内イベントはそうした考えのもとで行われている取組の一つです。
スキンケアの知識を共有したり、薬膳についての勉強会をしたり、多角化している各事業の専門的な知見を共有することで、従業員一人ひとりがより健康に、充実感を持って過ごせるようにと企画されているものです。参加は任意ですが、従業員同士が交流を深めるきっかけにもなりますし、毎回とても充実した活動が行われています。
――事業が多角化している御社らしい強みを活かした面白い活動ですね。組織へのエンゲージメントを高める効果も期待できそうです。熱中症対策といった側面での取組はいかがでしょうか?
MAE 荒川様 会社としては基本的な手順書を定めて予防に当たることに加え、高負荷の作業場に関しては改正労働安全衛生規則の施行に従い、個別に詳細な作業手順を設けています。
また、私が所属している物流グループの話にはなりますが、今年からフォークリフトにクーラーを設置しました。屋外での作業も少なくないですが、冷気がちょうど首の後ろに当たるので作業中でも涼しいと好評です。
加えて、2025年4月からは「MAMORINU」というウェアラブルデバイスを導入し、社員の安全管理を行っています。
義務化の背景・具体的な内容、対応策について解説しています。
企業の安全対策は“手元”で変わる

――手首につけている、その腕時計型の端末ですね。「MAMORINU」を導入の経緯について教えてください。
MAE 荒川様 2024年末に転倒事故が起きたことが「MAMORINU」導入のきっかけです。当時は、本人が直接報告できたことで迅速に対応できましたが、「もし意識を失っていたり、動けずに自力で連絡が取れない状態だったら……」という強い危機感を抱きました。 発見の遅れによるさらなる事態の深刻化や、命に関わる事故を未然に防ぐ安全対策として、SOS発信や転倒検知ができる腕時計型の端末を探していました。
――同じようなウェアラブルデバイスは多くの会社がリリースしているかと思いますが、「MAMORINU」を選んだ決め手はどの部分にあったのでしょうか?
MAE 荒川様 実は、「MAMORINU」に決めるまでには複数の会社様からデモ機をいただき、検証を繰り返していました。ひと口に“転倒検知”といっても、その検知方法はさまざまです。一般的なのは衝撃や加速度をもとに転倒を検知する端末だったのですが、弊社の業務のなかでは誤検知してしまうことが多く、なかなか導入に踏み切ることができていませんでした。
「MAMORINU」を知ったのはそんなときです。
「MAMORINU」の転倒の検知方法は脈拍を元にしており、調べた限りは同様の検知方法を採用している端末はありませんでした。また、取扱い会社のenstemさんには、転倒時に生じる脈拍の急上昇等の分析データも示していただき、検知精度の高さを確認できたことが導入に踏み切る大きな要素になりました。
――御社では安全管理以外にもさまざまなシーンで「MAMORINU」を活用していると伺っています。
MAE 荒川様 おっしゃるとおりです。「MAMORINU」は熱中症を含む安全対策としても有効ですが、今では作業日報の提出や蓄積されるデータをもとにコミュニケーションを取ったり、自己理解を深めてもらったり、非常に付加価値の高いツールとして幅広く活用させてもらっています。
業務改善や1on1にも使える「MAMORINU」の可能性




