電子帳簿保存法の概要について

公開日:2023年10月11日

法改正

令和6年1月1日から改正電子帳簿保存法の対応が義務化され、企業における会計書類の保存ルールが変わります。
今回は電子帳簿保存法の概要を説明いたします。なお、本号はNTS総合税理士法人に寄稿いただきました。

電子帳簿保存法は3パターンの帳票の保存ルール

(1)会計システムに入力した会計データとしての帳票(電子帳簿等保存)

会計ソフトで作成している仕訳帳・総勘定元帳などの帳簿や、損益計算書などの決算関係書類、パソコンで作成した見積書・請求書などを取引相手に紙で渡したときの控えを言い、これらの帳票はプリントアウトせずにデータのまま保存することができます。

(2)取引先と紙媒体でやり取りした帳票(スキャナ保存)

取引先から紙で受け取った書類、手書などで作成して取引先に紙で渡した書類の控えを言います。
これらの帳票は、その書類自体を保存する代わりに、スキャナやスマートフォンなどで読み取って、電子データとして保存することができます。事前に特別な手続きは原則不要ですが、様々なルールを満たす必要があるため、対応ソフト等を使用することが一般的です。

(3)取引先とデータでやり取りした帳票(電子取引データの保存)

これらの帳票は、一定のルールの下で保存することが義務付けられ、プリントアウトして紙で保存することは認められなくなります。

「取引先とデータでやり取りした帳票(電子取引データ)」の保存ルール

(1)上記1.(3)の電子取引データの保存にあたっては、下記2点の要件を満たす必要があります。

①真実性の確保(改ざん防止):データにタイムスタンプを付したり、訂正削除履歴が残る(あるいはそもそもできない)システムで管理するほか、不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を制定し、遵守するということも認められています。

②可視性の確保(検索機能):ディスプレイ・プリンタ等を備え付け、かつ、日付・金額・取引先について一定の検索要件を充足する必要があります。なお、以下のいずれかに該当すれば、税務職員からの求めに応じてダウンロード可能にしておく※ことで、「検索要件」に代えることがことができます。

・2年(期)前の売上高が5,000万円以下
・電子取引データをプリントアウトし、日付・取引先ごとに整理された状態で提示・提出が可能

※税務職員からのデータ提示・提出の要求があった時に求めに応じることが出来る環境。

相当の理由によりシステム対応が間に合わなかった場合

資金繰りや人材不足などの「相当な理由」により、令和6年1月1日までに上記2.の対応ができない場合は、「出力書面の保存」および「求められた際にデータで渡せる状態」を満たすことで猶予措置の適用を受けることができます。システムが整っているにも関わらずルールに従った保存をしていない場合には、猶予措置の適用は受けることができませんのでご注意下さい。

【ご案内】三井住友海上経営サポートセンターでは、10/18(水)に本テーマのセミナーを開催します。
「MSコンパス」からお申し込み可能ですので、是非ご参加ください。

関連記事

改正育児・介護休業法 ~令和7年10月1日施行編~

2025年3月28日

法改正

個人情報委、個人情報保護法に関する課徴金制度検討の方向性を公表

2025年3月21日

法改正

登記事項証明書等の「代表取締役等住所非表示措置」について

2025年1月31日

法改正

改正景品表示法が施行、事業者の自主的な是正促す仕組み導入

2024年12月20日

法改正

機能性表示食品に係る一連の関連法令の改正内容

2024年12月18日

その他

法改正

おすすめ記事

2025年に新設・継続されている補助金のポイントをわかりやすく解説

2025年3月31日

リスクアセスメントとは?意味や手順、実施例も紹介

2025年3月24日

労働災害防止

人事評価とは?導入するメリットや手順、企業の事例を紹介

2025年3月17日

人事労務・働き方改革

CSIRTとは?主な役割と導入する際のポイントを解説

2025年3月10日

サイバーリスク

ダークウェブとは?基本的な捉え方とリスク、必要な対策を解説

2025年2月17日

サイバーリスク

週間ランキング

改正育児・介護休業法 ~令和7年10月1日施行編~

2025年3月28日

法改正

補助金申請から入金まで!全体スケジュールを徹底解説

2023年11月15日

助成金・補助金

弁護士が解説!企業が問われる法律上の賠償責任とは ~店舗・商業施設における訴訟事例~

2024年5月15日

その他

弁護士が解説!企業が問われる法律上の損害賠償責任とは ~自然災害(土地工作物責任)における訴訟事例~

2024年4月24日

自然災害・事業継続

企業における就活生へのハラスメント防止措置義務化へ 法改正の動き進む

2025年2月14日

人事労務・働き方改革

ハラスメント