厚労省が就活生へのハラスメント防止策を強化、発生企業には指導の可能性も

2023年6月1日

人事労務・働き方改革

厚生労働省は2022年3月29日、企業の従業員による就活生へのハラスメント防止策の強化を発表しました。現行で保護の対象外の就活生が被害を受ける事案の頻発が理由です。ハラスメントを発生させた企業には行政指導の意向を示しました。防止策は以下の4点で構成されています。

防止策

  1. 大学生への出前講座を実施。就活ハラスメントの被害防止や被害を受けた際の対応を解説する
  2. 就活ハラスメントの被害を受けた学生へのヒアリング
  3. 就活セクシュアルハラスメント(以下セクハラ)を起こした企業に行政指導、ハラスメント防止方針明確化を徹底
  4. SNS 等での大学生等に就活ハラスメントを周知・啓発活動

パワハラ防止措置の義務化

企業の採用担当者等による就活生やインターンへのハラスメント事案がたびたび世間を騒がせています。厚労省も、悪質な就活セクハラが発生していることを対策強化の理由に挙げました。一方で、企業に対して弱い立場になりがちな就活生などの被害防止策について、実効性が不十分との指摘が根強くありました。例えば、セクハラ防止指針では、正社員などに比べて企業に求める保護のレベルが低い*ほか、セクハラ以外では雇用関係にないことを理由に防止対策の対象から外れた経緯があります。

パワハラ防止措置の義務化が 2022年4月から中小企業に拡大されるなど、企業によるハラスメント防止取組への要請が高まっています。今回の厚労省の対策強化を受け、企業には背景の理解とともに、以下の実践が期待されています。

ハラスメント防止取組の実践

  • 就活生へのハラスメント防止に向けた会社トップによる社内外への強いメッセージの発信
  • 就活生と接触する場合のルールの設定および役職員への周知の徹底
  • 就活生向けハラスメント相談窓口の設置とその案内
  • 就活生から相談を受けた際の適切な対応の仕組み・ルールの整備
  • インターンや就活生以外の求職者にも同様の防止策の適用

*セクハラ防止指針では職場におけるセクハラを行ってはならない旨の方針の明確化等を行う際に、就活生等をその対象にいれることや就活生等から職場におけるセクハラに類すると考えられる相談があった場合には必要に応じて適切な対応を行うように努めることが望ましいこと等が規定されている。