「デザイン経営」について

公開日:2025年11月5日

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今回のビジネスニュースでは経済産業省・特許庁が推奨する「デザイン経営」についてお伝えさせて頂きます。
「デザイン経営」とは、デザインの力をブランドの構築やイノベーション創出に活用する経営手法です。
「見た目のデザインを変えて、ものが売れたり会社のイメージを良くすること」という誤解されるここともあると思いますが、「デザイン経営」の真の意味や手法を知ると、先行き不透明なこの時代に、経営を変革し成長させる一つの指針となるかもしれません。

経営の指針となり得る「デザイン経営」

「デザイン経営」という言葉を経済産業省・特許庁が打ち出したのは、2018年5月頃です。簡単に言えば、経営にデザインの考え方を取り入れて企業価値を向上させ、企業の持続力を高めていこうという経営手法です。具体的に取り組むべきデザインとして、次の3つのキーワードが示されています。

「人格形成」 = 自社の想いや「らしさ」を明確にし、未来の自社の姿を構想する営み
「文化醸成」 = 自社の想いや「らしさ」を、顧客や社内外の仲間に伝え、共感と共創の土壌を形成する営み
「価値創造」 = 自社の想いや「らしさ」と、顧客や社会のニーズを基に魅力ある製品やサービスを創出する営み

この3つを行き来しながら、企業の価値を高め、持続力を向上させていくのがデザイン経営の考え方です。つまり、根幹となるのは「自社の想い」「自社らしさ」の見つめ直しと明文化であり、その資源や価値を軸にして「どんな未来を描きたいのか」を社内外で共有し、それに向かって新ビジネスや新製品を創造していくのが「デザイン経営」です。

これらは、成長する企業には必要不可欠な要素であり、言い換えれば、持続する企業は全て「デザイン経営」をおこなっているはずです。「デザイン経営」の真の意味を知り取り組むことは、経営の大きなヒントになりそうです。

デザイン経営とは「経営をデザインする」こと

一方で、「デザイン経営」という言葉を少し誤解している経営者も多いようです。「デザイナーに見栄えの良いパッケージをデザインしてもらい商品を一新する」「会社のロゴデザインをかっこよくしてもらいイメージを良くする」。これも確かにデザインの力の一つではありますが、本来「デザイン」とは「見た目」だけを変えることではありません。

たとえば、商品が持つ価値や魅力を明らかにし、ステークホルダーの心を動かすストーリーやビジュアルを考え最も効果的な手法で伝えたり、会社のパーパスや価値を明文化し、社内外に共有するためのツールや手法を考え、共感を広げていくこと、「自社にしか無い価値」「らしさ」はどこにあり、それをどのように広げ会社を成長させていくのか、未来に向かって経営をデザインすることこそが、「デザインの力」と考えられます。

上記の3つのキーワードにはそれぞれ3つのデザインアクションが紐づけられています。
「人格形成」
⇒ 「自社の個性を見つめ直す」 「存在意義を深堀する」 「将来のありたい姿を描く」
「価値創造」
⇒ 「顧客と社会のニーズを探る」 「試行錯誤を繰り返す」 「心を込めて届ける」
「文化醸成」
⇒ 「想いを社内外に伝える」 「社員の意欲と能力を引き出す」 「共創する仲間をつくる」

3つのキーワードとそれぞれに紐づく3つのデザインアクションを参考に、「自社らしさ」を見つめ直し、社内外へ共有するための具体的な行動をしていくことが「デザイン経営」を実践するうえで重要となります。

「自社らしさ」を見つめ直し、持続する経営へ

特許庁では、特許庁デザイン経営プロジェクトチームを作り、デザイン経営を推進するとともに、デザイン経営の実践例、デザイン経営の効果に関する調査、デザイン経営の実践支援ツールなどを公表しています。その中には、デザイン経営を進めるうえでの課題と解決事例といったデザイン経営を実際に進めるうえのでのヒントになるものや、他社事例など参考になるものもあります。

変革し成長を続ける経営者を見ると、その考え方や手法はまさに「デザイン経営」につながるものがあります。「どうしてあの企業はあんなに成長しているのだろう」と感じたとき、「デザイン経営」の考え方や手法を経営に取り入れ「自社らしさ」や「自社の価値」を見つめ直してみると、まだまだたくさんの成長のタネやヒントがあるかもしれません。

「デザインの力」で企業価値を高めるデザイン経営について興味を持って頂き、特許庁のHPなどを確認し、自社の経営に役立てて頂ければと思います。

(参考URL:https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei.html)

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