帝国データバンク公表「大阪・関西万博の効果 「期待以上」が4社に1社 西日本で顕著に ~企業が評価した開催の社会・経済効果、平均72.2点~」

公開日:2025年10月31日

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2025年大阪・関西万博は、約7割の企業が日本経済に『一定のプラス効果』をもたらしたと評価しました。2割超の企業が「期待以上」と評価し、「成長の起爆剤」としての役割を一定程度果たしたと言えます。特に近畿をはじめ、西日本で地域経済への波及効果が顕著でした。企業による日本社会・経済に与えた評価点は平均72.2点と、概ね肯定的に受け止められました。この成果を持続的な成長につなげることが今後の課題となります。

企業の約7割で日本経済に一定のプラス効果と評価

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)は、10月13日に閉幕。東京五輪・パラリンピック後の大阪・関西、そして日本の「成長を持続させる起爆剤」として位置づけられた半年間の祭典は、多くの来場者で賑わいました。日本国際博覧会協会によると一般の来場者数は2,557万人超、運営費は最大で280億円の黒字を見込むなど、一定の成果が確認されました。

そこで、日本経済にとって大阪・関西万博は、開催前に期待されていたプラス効果をもたらしたか尋ねたところ、「期待以上」と回答した企業が23.4%にのぼり、約4社に1社が高く評価しました。「期待どおり」は44.0%と多数を占め、両者を合計すると7割近くの企業が『一定のプラス効果』を日本経済にもたらしたと捉えていました。

開幕直前の4月に実施した調査では、日本経済に対しプラス材料として「期待できる」とした企業は43.5%1だったことを踏まえると、本結果は、期待を上回る成果と受け止められたと言えるでしょう。他方、「あまり期待どおりではなかった」は27.4%、「期待を下回った」は5.1%にとどまりました。

『一定のプラス効果』について地域別にみると、開催地の『近畿』が81.3%で最も高く、以下、『九州』(73.9%)、『四国』(71.0%)、『中国』(69.1%)が上位に並びました。総じて開催地に近い西日本地域においてよりプラス効果を認識する傾向が表れました。

企業からは、「大阪周辺では来場者増が交通や買い物・飲食などにプラスに働いた。また、毎日メディアで取り上げられ、大阪地区の雰囲気が良く、会場外のイベントも盛況の様子だった」(機械・器具卸売、大阪府)や「短期間の工期にかかわらず、質の高いパビリオンが多数建設され、素晴らしい仕事をする日本の底力を垣間見た」(専門サービス、東京都)といった声が寄せられました。

さらに、「自社の独自商品が数カ国のパビリオン建設で使われた」(化学品製造、長野県)というように実際に事業への効果をあげる声も聞かれました。しかしながら、「中長期目線での効果については疑問を感じる」(化学品卸売、大阪府)や「関東地区では、まったく効果を実感できず、工事中の資材不足や高騰に悩まされた」(建設、千葉県)という指摘も少なからずありました。

大阪・関西万博が日本の社会や経済に与えた効果について、100点満点で評価を尋ねたところ、平均72.2点でした。点数分布をみると、「80~89点」が25.3%で最も高く、次いで「90~99点」(21.6%)、「70~79点」(15.6%)が続きました。また、6.2%の企業は「100点」を付けました。

他方、50点未満を付けた企業は1割にとどまるなど、各社は高い評価を与えたと言えるでしょう。

万博を契機として、次なる成長戦略へと結びつくことが肝要

本アンケートの結果、大阪・関西万博は日本経済に対し『一定のプラス効果』をもたらしたと、約7割の企業が評価していました。なかでも「期待以上」のプラス効果があったと捉える企業は2割を超え、万博が「成長の起爆剤」としての役割を一定程度果たしたと言えます。来場者数・収支ともに高水準で推移し、企業活動や経済活動に直接的な恩恵をもたらしたと考えられます。特に西日本地域では、観光、消費、建設等多方面で波及効果が顕著であり、地域経済の活性化に大きく寄与しました。

さらに、企業による万博の日本社会・経済への影響に関する評価点は平均72.2点と、概ね肯定的に受け止められています。とりわけ「80点以上」を付けた企業が半数超にのぼったことは、万博の実施が企業活動や地域振興において実効性のある成果をもたらしたことを裏付ける結果と言えます。

今後は、この万博の成果を一過性に終わらせず、持続可能な地域振興や産業活性化につなげる取組が求められます。万博を契機にこうした取組が、次なる成長戦略として実を結び日本経済全体が底上げされることが期待されます。

株式会社帝国データバンク発行の「「大阪・関西万博」の開催効果に関する企業アンケート」(2025年10月16日)を基に作成したものです。

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