フリーランスの労災保険

公開日:2024年1月31日

人事労務・働き方改革

今回はフリーランスの労災保険についてお伝えします。なお、本号は社会保険労務士法人みらいコンサルティングに寄稿いただきました。

特別加入制度

労災保険は、本来、労働者の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度です。一方、労働者以外でもその業務の実情、災害の発生状況などからみて、労働者に準じて保護するにふさわしいものには任意に特別加入を認めています。これが労災保険の特別加入制度です。

特別加入出来る方について

特別加入者は、一人親方等、特定作業従事者(農作業、ITフリーランスなど)、中小事業主、海外派遣者の4種に大別されます。このうち一人親方等については、以下の事業が対象になります。

①個人タクシー業者、個人貨物運送業者(自動車、原付、自転車を使用する方)
②建設業  
③漁業  
④林業  
⑤医薬品の配置販売  
⑥再生資源取扱業者
⑦船員   
⑧柔道整復師    
⑨創業支援等措置に基づく高年齢者
⑩あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師 
⑪歯科技工士

特別加入の対象の大幅拡大

フリーランスの保護を目的として2023年4月に「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(2024年秋ごろ施行予定)が可決成立しました。この法案の附帯決議では労災保険の特別加入制度について「希望するすべての特定受託事業者(=フリーランス)が加入できるように対象範囲を拡大する」とされており、現在その議論が進んでいます。

今後の安全衛生対策について

厚生労働省は、フリーランスの業務災害の実態把握や安全衛生対策について検討を進めており、2023年10月に「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会 報告書」を公表しています。この中で、運送業や短期間で行われる建設事業のように、発注ごとに作業場所や作業環境が異なり、作業時にはじめて具体的な状況が分かるような職種については、以下の対応を関係者に求めるとしています。

①作業場所を管理する者に適切な作業環境の確保を求める
②発注者が作業場所を管理する者と協議し、あらかじめ作業内容や作業条件を契約時に明示するなどの対応

今後、フリーランスも労働者と同じ安全衛生水準を享受するため、「作業場所を管理する企業」や「発注者」等の関係者はより一層の災害防止措置を講じる必要があります。

(寄稿:社会保険労務士法人みらいコンサルティング、発行:三井住友海上経営サポートセンター)

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