帝国データバンク公表「『リーダー人材』の不足、企業の67.8%が実感」
公開日:2025年4月2日
人手不足

帝国データバンクの調査によると、企業の将来を担う「リーダー人材」(管理職相当以上)の不足を感じている企業の割合は、 67.8%となりました。リーダー人材の育成課題は何か尋ねたところ、「リーダー職への意欲」をいかに高めるかが 59.8%で最も高く、「リーダーシップ」「部下の育成能力」が続きました。今後は、中長期的な視点に立って育成に取り組むことが求められます。
「リーダー人材」の不足、企業の 67.8%が実感
少子高齢化の流れが強まり、国内企業は深刻な人手不足に直面しています。2025 年 2 月時点で、正社員の人手不足を感じている企業の割合は 53.0%にのぼり、月次統計として遡れる 2007 年以降において、過去最高水準で推移しています。そうしたなか、企業からは「質の高い人材を数多く育成することに難しさを感じている」といった課題が数多くあげられています。
そこで、企業の将来を担う「リーダー人材」(管理職相当以上)の不足感について調査を実施しました*¹。その結果、企業の 67.8%がリーダー不足を実感していました。正社員全体の人手不足の割合(53.0%)を大きく上回りました。
課題の一つは、現リーダー層による次のリーダー人材の育成です。企業からは、「人員が少ないと優秀な人材はリーダーになる前に実務をこなす能力が高くなってしまい、管理職になっても自分が動かなくてはならず、次のリーダー育成まで行き届かない」(機械工具卸売、三重県)や、「現リーダー層もプレイングマネジャーで、自身の業務と中途採用者や部下の育成・勤怠管理などに追われ、リーダーに必要なノウハウを養う育成時間が取れない」(調味料製造、愛媛県)といった育成に必要な時間確保に関する難しさが数多くあげられました。加えて、「過去の採用抑制によって、育成の前にそもそものリーダー人材不足が最も深刻な課題」(石油化学製品製造、東京都)といった声も聞かれました。
*¹調査期間は2025年2月14日~2月28日、調査対象は全国2万6,815社、有効回答企業1万835社、回答率40.4%です。本調査では、「リーダー」とは管理職以上に相当する役職者を指します。

リーダー人材を育成するなかでは、「リーダー職への意欲」不足が課題としてトップに
リーダー人材の不足を「感じている」企業に対して、育成する上での課題を尋ねたところ、「リーダー職への意欲」が足りないという回答が 59.8%で最も高くなりました。次いで、「リーダーシップ」(57.5%)や「部下の育成能力」(55.6%)など、個人のパフォーマンスだけでなく組織力の向上に求められる力に関しても、半数以上の企業で課題としてあがりました。
企業からは「30代以下の社員の中には、責任のある立場になりたくないという人も増えており、どのように意欲を持たせたらいいのか」(一般管工事、沖縄県)といった切実な声が聞かれました。

テーマは「リーダー職への意欲」向上のための魅力づくり
本調査では、次世代を担うリーダー人材に関して、不足感があると回答した企業は 67.8%でした。リーダーを育成するにあたっての課題は、「リーダー職への意欲」不足がトップでした。労働者のうち約8割が「管理職になりたくない」と回答しているといった調査結果も踏まえると*²、リーダー職のモチベーションを向上させることが課題といえます。リーダー職のやりがいや存在価値、給与など「魅力」を明確に示すことで、意欲の醸成につなげる必要があります。
「人手不足によって管理職も現場業務を進める必要があり、育成どころではない」のような声があり、業務の遂行を最優先にせざるを得ず、リーダー育成に手が回っていないというケースも多くあります。未来を見据えた教育体制を整備し、中長期的な視点に立った育成が求められています。
*² 日本能率協会マネジメントセンター「管理職の実態に関するアンケート調査」2023 年 4 月実施
調査先企業の属性
1.調査対象(2 万 6,815 社、有効回答企業 1 万 835 社、回答率 40.4%)

2. 企業規模区分
中小企業基本法に準拠するとともに、全国売上高ランキングデータを加え、下記のとおり区分。

株式会社帝国データバンク発行の「リーダー人材不足に関する企業の意識調査」(2025年3月18日)を基に作成したものです。