職場におけるパワーハラスメント防止対策(3)
公開日:2023年7月7日
人事労務・働き方改革
今回は、「職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応」、「併せて講ずべき措置」の2点をご案内いたします。
職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
事実関係の迅速かつ適切な対応
事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認することが求められます。具体的には、相談窓口の担当者などが相談者および行為者の双方から事実関係を確認し、事実関係に関する主張に不一致があり事実確認が十分にできない場合には、第三者からも事実関係を聴取するなどの措置を講ずる、などが挙げられます。
被害者に対する適正な配慮の措置の実施
職場におけるハラスメントが生じた事実が確認できた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うことが求められます。具体的には、事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者の間の関係改善への援助、配置転換、行為者の謝罪、被害者の労働条件上の不利益の回復、管理監督者等による被害者のメンタルヘルス不調への相談対応などの措置を講ずる、などが挙げられます。
行為者に対する適正な措置の実施
職場におけるハラスメントが生じた事実が確認できた場合には、速やかに行為者に対する措置を適正に行うことが求められます。具体的には、就業規則などの職場におけるハラスメントに関する規定などに基づき、行為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずることや、併せて事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者の間の関係改善への援助、配置転換、行為者の謝罪などの措置を講ずる、などが挙げられます。
再発防止措置の実施
職場におけるハラスメントに関する方針を周知・啓発するなどの再発防止に向けた措置を講ずることが求められます。具体的には、職場においてハラスメントを禁止し、ハラスメントを行った者について厳正に対処する旨の方針を、社内報、ホームページなど広報または啓発のための資料等に掲載し、配付するなどが挙げられます。
併せて講ずべき措置
当事者などのプライバシー保護のための措置の実施と周知
職場におけるハラスメントに関する相談者・行為者などの情報はその相談者・行為者などのプライバシーに属するものであり、相談への対応またはそのハラスメントに関する事後の対応では、相談者・行為者などのプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨を労働者に対して周知することが求められます。
相談、協力などを理由に不利益な取扱をされない旨の定めと周知・啓発
労働者が職場におけるハラスメントに関し、事業主に対して相談をしたことや、事実関係の確認などの事業主の雇用管理上講ずべき措置に協力したことなどを理由として、解雇その他の不利益な取扱をされない旨を定め、労働者に周知・啓発することが求められます。
厚生労働省の関連HP
(寄稿:社会保険労務士法人みらいコンサルティング)
三井住友海上経営サポートセンター発行のビジネスニュース2022年3月(第309号)を基に作成したものです。