労働条件の書面明示事項の追加(その2)

公開日:2024年6月5日

人事労務・働き方改革

労働基準法により義務付けられている労働条件の書面明示事項が2024年4月から追加されました。
厚生労働省から労働条件通知書の記載例が示されましたので、注意点も含めてお伝えします。
なお、本号は社会保険労務士法人みらいコンサルティングに寄稿いただきました。

追加となる労働条件の書面明示事項

(1) 就業場所・業務の変更の範囲
(2) 更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容
(3) 無期転換申込機会
(4) 無期転換後の労働条件
詳細は2023年8月9日発行のビジネスニュース(労働条件の書面明示事項の追加)も確認ください。

就業の場所・業務の変更の範囲

今回追加された「変更の範囲」とは、今後の見込みも含め、その労働契約の期間中における就業場所や、従事する業務の変更の範囲のことをいいます。また、その労働契約期間中に、いわゆるテレワークを行うことが想定される場合は、テレワークが可能な場所(例:労働者の自宅、サテライトオフィス等)を明示する必要があります。
(1)就業場所・業務に限定がない職種の場合

(2)就業場所・業務の一部に限定がある職種の場合

更新上限

有期労働契約の締結時および契約更新のタイミングごとに、更新上限(通算契約期間※または更新回数の上限)がある場合には、その内容の明示が必要になります。また、更新上限を新設・短縮する場合には新設・短縮する前にその理由を労働者に説明する必要があります。※労働契約法第18条第1項参照

無期転換申込機会と転換後の労働条件

無期転換申込機会および無期転換後の労働条件の書面明示は、無期転換申込権が発生する有期契約労働者を対象として、以下の場合に行う必要があります。
(1)無期転換申込権が発生する契約更新のタイミング
(2)上記「(1)」以降の契約更新の都度

 

(寄稿:社会保険労務士法人みらいコンサルティング、発行:三井住友海上経営サポートセンター)

関連記事

雇用保険等の一部を改正する法律~教育訓練やリスキリング支援の充実~

2025年8月1日

人事労務・働き方改革

帝国データバンク公表「熱中症対策の義務化、企業の55.2%が認知 建設業で認知度高く」

2025年6月18日

人事労務・働き方改革

自然災害・事業継続

子ども・子育て拠出金とは?制度の仕組みや計算式、課題点を解説

2025年6月16日

人事労務・働き方改革

6月から義務化(罰則付き)となった「職場の熱中症対策」のポイント

2025年6月13日

人事労務・働き方改革

自然災害・事業継続

厚生年金保険とは?国民年金保険との違いや計算方法を解説

2025年6月9日

人事労務・働き方改革

おすすめ記事

企業の地震対策は何から始めるべき?被害を抑えるためのポイントと備蓄品リストを紹介

2025年8月18日

自然災害・事業継続

採用戦略とは?立案の流れとポイントを事例とともに解説

2025年7月28日

人手不足

トランプ関税が日本に与える影響とは?中小企業経営者が知っておくべきリスクと対応策

2025年7月14日

その他

介護手当とは?受給条件やその他の手当を解説

2025年6月23日

健康経営・メンタルヘルス

子ども・子育て拠出金とは?制度の仕組みや計算式、課題点を解説

2025年6月16日

人事労務・働き方改革

週間ランキング

6月から義務化(罰則付き)となった「職場の熱中症対策」のポイント

2025年6月13日

人事労務・働き方改革

自然災害・事業継続

改正育児・介護休業法 ~令和7年10月1日施行編~

2025年3月28日

人事労務・働き方改革

帝国データバンク公表「採用時の最低時給は 1,167円人材確保を背景に最低賃金より112円高く~ 「東京」が唯一1,300円超え、都市部と地方で格差が顕著に~」

2024年11月6日

その他

「個人から法人への非上場株式の譲渡における注意点」

2024年11月22日

その他

休職中の社員の社会保険料負担

2023年7月28日

人事労務・働き方改革