経産省が温室効果ガス排出可視化で指針案、他社比較時にルール作成求める

公開日:2023年9月11日

脱炭素

経済産業省は2023年1月31日、企業などが温室効果ガス(GHG)排出量算定・可視化するためカーボンフットプリント(CFP)の算定のガイドライン案を公表しました。同算定のために旧来依拠するISO14067(温室効果ガス-製品のカーボンフットプリント-算定のための要求事項および指針)などの国際的基準の規定について、解説・解釈や不明確な部分の補足などが目的です。また、他社製品との比較を目的にCFPを算定する際の「製品別算定ルール」の作成を求めています。

カーボンフットプリント(CFP)の算定のガイドライン案

ガイドライン案は3部構成です。特に、第2部で、算定の具体的な指針を四つのステップ(算定方針の検討、算定範囲の設定、CFPの算定、検証・報告)に整理し、ISO14067の規定に基づきながら、各ステップの取組ごとに、「要求事項」「目指す姿や問題意識」「要求事項の具体的な実施方法」の三つの要素で構成しています。

出典:「カーボンフットプリント ガイドライン案 第2部CFPに関する取組指針*」

他社製品との比較を想定した算定時には、「製品別算定ルール」の使用を必須要件に挙げています。同ルールが既存の場合はそれを使用する前提ですが、ない場合は新規作成も可能です。新規作成には、利害関係者との協議・合意が必要とされ、業界団体や企業コンソーシアムなどによる作成が順当と考えられます。製品別算定ルールの作成のほか、追加的要件の内容がステップに応じて指定されています。他社製品との比較時の主な追加的要件は以下のとおりです。

出典:「カーボンフットプリント ガイドライン案 第2部CFPに関する取組指針*」記載内容を基に作成

MS&ADインターリスク総研株式会社発行のESGリスクトピックス2023年3月(第12号)を基に作成したものです。

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