職場におけるパワーハラスメント防止対策(2)

公開日:2023年7月5日

人事労務・働き方改革

中小企業にも2022年4月1日より、職場におけるパワーハラスメント防止対策が義務付けられています。今回は防止対策の具体的な内容として、「事業主の方針の明確化及びその周知・啓発」、「相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」の2点をご案内いたします。

パワーハラスメント防止のために事業主が雇用管理上講ずべき措置

事業主が必ず講じなければならない措置は、主に以下のとおりです。他のハラスメント(いわゆる「セクハラ」や「マタハラ」など)と、一元的な相談体制の整備等が望ましいとされています。

  1. 事業主の方針の明確化およびその周知・啓発

  2. 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

  3. 職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応

  4. 併せて講ずべき措置 (プライバシー保護、不利益取扱の禁止など)

事業主の方針の明確化およびその周知・啓発

ハラスメントの内容、方針等の明確化と周知・啓発

職場におけるハラスメントについて、内容および行ってはならない旨の事業主の方針等を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発することが求められています。具体的には、事業主の方針を明文化し周知する、就業規則に服務規律として明文化する、研修・講習等を実施する、などが挙げられます。

行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発

行為者(職場におけるハラスメントに係る言動を行った者)については、厳正な対処が求められます。対処の方針および対処の内容を、就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発することが挙げられます。

相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

相談窓口の設置

相談窓口(相談への対応のための窓口)をあらかじめ定め、労働者に周知することが挙げられます。相談窓口は、社内・社外の2つを設置すること、社内窓口担当には男女最低1名ずつ配置することが望ましいとされています。

相談に対する適切な対応

相談窓口担当者が、相談の内容や状況に応じ適切に対応できるようにすることが求められています。相談窓口の担当者と人事部門とが連携を図る仕組みを作ることや、相談対応についてマニュアルを作成することなどが挙げられます。

(寄稿:社会保険労務士法人みらいコンサルティング)

三井住友海上経営サポートセンター発行のビジネスニュース2022年2月(第308号)を基に作成したものです。

関連記事

働き方の多様化とは?導入するメリットと具体例を解説

2024年11月11日

人事労務・働き方改革

建設業の2024年問題とは?課題となるポイントと対策を解説

2024年9月9日

人事労務・働き方改革

過剰に主張するハラハラとは!?具体例と対策について

2024年9月6日

人事労務・働き方改革

帝国データバンク公表「女性管理職の割合は平均 10.9%、初の1割超え ~課題認識、「女性の昇進意欲」が企業規模間で大きな差~」

2024年9月4日

人事労務・働き方改革

福利厚生とは?充実させるメリットと注意点を解説

2024年8月5日

人事労務・働き方改革

おすすめ記事

ウェルビーイングとは?企業経営への活かし方と注意点

2024年11月18日

健康経営・メンタルヘルス

働き方の多様化とは?導入するメリットと具体例を解説

2024年11月11日

人事労務・働き方改革

物流業界での2024年問題とは?働き方改革と取組を解説

2024年10月28日

2024年問題

デジタルタトゥーとは?企業に与える影響と対応策を解説

2024年10月21日

サイバーリスク

ヒヤリハットとは?意味から原因、事例まで徹底解説

2024年10月7日

事故防止

週間ランキング

お客さまは神様ではない!?カスハラの実態 企業はどう対応すべき?

2024年6月21日

人事労務・働き方改革

過剰に主張するハラハラとは!?具体例と対策について

2024年9月6日

人事労務・働き方改革

弁護士が解説!企業が問われる法律上の賠償責任とは ~店舗・商業施設における訴訟事例~

2024年5月15日

その他

帝国データバンク公表「社長の平均年齢、60.5歳 33年連続の上昇、高齢化止まらず」

2024年4月26日

事業承継・M&A

建設業法等の改正について

2024年8月23日

その他